※ 当ブログに掲載されている内容は受講者のためのものですので、無断転載はご遠慮下さい。
碓井流活法の数多くの技術は、その場で大きく変化を出せることがひとつのウリですが
それ以外にも 予防の観点を持った ものもあります。
糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす生活習慣病という用語も一般的になった昨今
今回はそれらの「予防にこの一手」というものをご紹介させて頂きます。
それには疾患ごとの 予兆を見逃さないことが重要 ですね。
■ 糖尿病の予防に 「 すねの内側のゴリゴリ 」
すねの内側で、骨のきわのラインの沿って押すと、とても痛い部分があります。
糖尿病になりそうな方はこの部分が特に硬く、ゴリゴリ・ボコボコしています。
その硬いところを痛いですが、少しずつつぶすように押していく とだんだんと
平らになってきます。
■ 心筋梗塞の予防に 「 左側の鎖骨・肋骨の盛り上がり 」
あおむけに寝た状態で、左側だけ鎖骨と肋骨下部が盛り上がっているように観えたら
心臓の疾患に心当たりがないかを確認します。
そして、あおむけのまま 鎖骨の上に手のひらを重ね固定し、数回深呼吸 をしてもらいます。
これを 肋骨下部にも同様に 行い、うまく固定できると盛り上がりがなくなります。
■ 脳卒中の予防に 「 頸すじの血管の浮き上がり 」
頸すじに血管が浮き上がっている場合や、ドクンドクンと脈を打つように動いているのが
観えたら脳卒中の予兆と言われています。まずは血圧が高くないかなどを確認します。
そして、正座で頭の後ろで指を組ませ、肘をすぼませ、背中を丸める ようにして貰います。
肘に手をかけ、下に引くように固定 したら、そのまま 頭を持ち上げるように
無理のない範囲でガンバらせ、これを3回行います。
そうすると頸すじの浮き上がりがへこみます。
碓井流活法では、これらの他にも腰や膝などの 運動器への予防的な技術も 数多くあります。
ある程度症状が改善されてきたら、施術のオマケとしてこのような技術を加えていきましょう。
いつも片側に重だるさ・動きが悪い・痛みがでる などの不調を訴える方いませんか?
特に身体に大きな異常がみられなくてもです。
碓井流活法では、このような状態がでる原因を 全身の筋力の乱れ・アンバランス と
捉えています。これは身体の使い方のクセとも言えるかもしれませんね!
スポーツの世界でも良いフォームを作るために素振りなど、繰り返し同じ動作で
訓練を行います。
身体の片側に不調がでるのは、逆に悪いクセがついてしまったためと考えられます。
そのクセを直すには… 「 足臨泣押し 」
足の甲には、第4指と第5指の間に 「 臨泣 」 という押すと痛いツボがあります。
そこをグーッと押し切ったらキュッと引く!
かなり痛い調整ですが、左右の筋力のバランスが整います。
碓井流活法には他にも「 神経通し 」や「 極点調整 」など技がたくさんあります。
これらに身体の中心や重心を整えるものを加えれば、このようななんとなくの不調にも
対応できるようになります。
武道や気功をされている方、興味のある方にはなじみ深い 「 丹田 」。
おへそより少し下にある言われています。 ここは、呼吸法でも記載した、陰息 = 腹式呼吸 を行うときに意識するところで、ヒトの中心でもあるといわれています。
丹田の「 丹 」とは薬の意味で、「 田 」はそれを生み出すところと考えられています。
ですから陰息の呼吸は養生的な呼吸といわれているのでしょう。
碓井流活法には、この丹田をパワーアップさせる方法として「 丹田開発法 」があります。
まずあぐらをかいて座ります。
内ももを膝のお皿より指3本分くらい上から股の方に向かって20cmくらいの幅を
骨に向かって少し強めに押す。 これを下から上へ 5回ほど 繰り返していきます。
この部位は、お腹の反応が出やすいところ でもあります。
活法指圧では特に消化器系の調整に用います。 碓井流活法では「 坐 」と呼ばれる処ですが
腹力の調整=自律神経の調整に用いている。 また、婦人科疾患や内分泌系の疾患にも効果がありお腹はとても大切です。 ただし押すと痛い部位ですのでその扱いには注意が必要です。
碓井流活法では施術者は、患者さんよりも常に高いエネルギーを持つことが重要と考えています。それは、同調・同化作用が自然と起こり、高い方から低い方へエネルギーが流れていくためです。
そして、患者さんに触れるときには、手や身体にムダな力を入れないこと。
これには 「 伸筋 」 を意識してうまく使うことが重要です。
これらをやりやすくする方法があります。
■ 「 裏張り 」 ムダな力を入れず伸筋をうまく使えるようにする方法です。
まず腕を横に伸ばし、L字になるように肘を曲げます。
腕全体を後ろに引きつつ背中を張るようにします。めいっぱいのところまで引いたら
そこからグッとさらに引きます。力をゆるめて腕をおろしたら1回深呼吸。
そうすることで、手や腕、背中の 余分な力が抜けます。
次に、気を高める方法 です。
① 手のひらをこすり合わせ熱くなってきたら手を離し、パッパッと手をはらいます。
② 両腕を上に挙げて手を振り、ストンと肘を落します。
①② を行うと手のひらがジーンとしているはずです。
こすったり振ることで電気を起こし、はらったり力を抜くことで余分な電気を捨てていると考えています。この状態で患者さんに触れ始めると、手も暖かくなっていて受けた感じがとても良いと思います、ぜひ試してみてください。
碓井流活法では 人間を構成する3つの要素は 「火」と「水」と「塩」であるという
考え方があります。
「火」は・・・エネルギーそのもの。
食事を摂らないと生きていけませんよね。消化吸収した栄養分は血液に含まれ、それが細胞で
燃焼されエネルギーとなることが科学的にもわかっています。また、人間は電気で動いており
筋電図や心電図、脳波などもとることができます。電気もその一つと考えてもよいと思います。
「水」は・・・人間の身体の60~70%は水でできています。
「塩」は・・・血液や体内の水分の中には少なからず塩分がふくまれていますし
どれも生きていく上で欠かせないものばかりです。
このような概念から生まれたのでしょうか? それとも先人の生活からの知恵なのでしょうか
「 原因不明のキズ 」 に良いとされている方法があります。
水と酢を同量合わせたものに、塩を多め(濃いめ)に加えます。
それに 鉄クギを1本入れ、一晩つけておくとサビます。
出来上がった水を 清潔な脱脂綿につけて、3回くらいキズ口をふきます。
その後 ドライヤーで熱くなるまで乾かします。
なかなか治らないキズやかゆみ、水虫にも有効とされています。
塩分の浸透圧や鉄分で余分な水や電気を抜いているのではと思われます。
碓井流活法では、原因不明といわれている病気の方に「難病の巣取り」という方法を用います。これは下腹部にでている反応をみるもので、おへそから下にTの字を描き、このTの字の左右を、上・中・下と6ヵ所触診します。もし硬結や圧痛、違和感があれば、その場所を覚えておいてもらいます。
もし、上部に反応があればその部位と、もう片方の手でアゴ先(オトガイ)に触れます。そして、お腹の方を軽くゆらしていきます。そうすると少しずつゆるんでいきますので、硬さや圧痛、違和感がとれるまでゆらし続けます。変化がみられなくなったら深呼吸をさせて、再度その部位を確認します。同様に、中部の反応はノド仏(甲状腺)と、下部の反応は胸鎖関節(兪府)と組み合わせて行います。
理由はよくわからないのですが、碓井流活法では原因がよくわからない病気の場合には、まずこの難病の巣をつぶしてから、それぞれの症状に合わせた調整を行うのが良いといわれています。この方法を行うと、だいたいお腹がゴロゴロと動いてトイレにいかれたり、スッキリとした感じになったといわれます。
碓井流活法の調整では、施術前と後とで行う可動域や筋力などのテストを重要としています。
しかし、施術者側から観たものと、患者さんが感じているものと違いが出ることもあります。
感覚が鈍くて分かりにくいというのではなく、明らかに逆のことをいっているような場合です。
「 乱調 」 と言いますが、このような方に施術を行うと思っていた結果がでないこともあります。
乱調が観られた場合には、まず、頭で考えていることと、身体が受け取る反応や動きが
大きくずれてしまっている事を先に調整する必要があります。
乱調をとるには、左右対称に上肢と下肢の動き・頸の動きを行わせます。
具体的には、仰向けで片腕を上げその方向に顔を向けます。反対の足を膝を曲げながら
胸へ向けて上げます。 これを同時にできるだけ速く行わせます。
乱調の方ははじめは全然できないと思いますが、だんだんとできるようになってきます。
この調整法は、アプライド・キネシオロジー、タッチフォーヘルスなどでも
「 脳と身体を一致させる・身体のバランスを調整する 」 目的で用いられています。
また、運動できない方には、胸の上の方にある胸骨のきわ( 兪府というツボ )を刺激すると
良いと言われています。
もしも乱調が観られた場合には、まず先にこれらで調整してから施術に入るようにしてください。
最近何かと話題にのぼる 「 骨盤 」。 活法指圧研究会の受講者さんの中にも、産後の骨盤調整で大ヒットされている方もいます。 骨盤を調整すると・・・やせる・スタイルが良くなるなど
治療以外の美容目的にも用いられている。
さて、この骨盤の調整とは 「 何をどのように調整するのか? 」 が、今回のテーマ。
碓井流活法でも、骨盤の左右の高低差、捻転など は、立位( 立った状態 ) で観ます。
この時に差がある = ゆがみ ととらえがちですが、調整するのは何かしら
痛みや、動きづらいなどの症状がある場合のみ。
何故なら、もともとヒトの身体にはゆがみがあり、筋肉がしっかりしていれば身体を支え
どのような動きにも対応できるからです。 陸上のウサイン・ボルト氏も側弯症と言われています。
これは、あくまで碓井流活法での観かたですが、「 骨盤に基準は求めません 」。
ゆがみがあっても問題がなければ、その方にとって良い状態であるという考え方もあり
むしろそのゆがみをまっすぐにしょうとすると、身体に不調がででくることもあります。
では、調整しなければならないときは・・・? 碓井流活法では、左右差や捻転を逆転 させる
ことで調整を行いますが、一時的に逆転させることで
その後動いているうちに、その方にとって最も良い状態に 自然と調整されていく。
といった考えからです。
また、ゆがみに関係なく骨盤の動きを良くするといった手法を用います。
立位での身体の土台、それは足元です。
上体の土台は股関節でしたが、それを支えているのが下肢の一番下の足の裏となります。
足裏の土踏まずと言われるように、全面が床や地面についているわけではありません。
ではどこに・・・というと
親指の根元のふくらみ「母趾球」、小指の根元のふくらみ「小趾球」、そして「踵(かかと)」の三点で身体を支えています。
ビデオやカメラで撮影する際には固定するために三脚を使いますが、足も三脚と同じように
三点で接地し、足に付いている筋肉や靭帯などが三脚を支える柱の役割となっています。
この三点軸がくずれてしまったらどうでしょう?
建物の土台のように身体は傾いてしまいます。 しかし、身体には三脚と違い筋肉があり
その傾きを支えようと緊張します。 この緊張が、コリや痛みとなり、それが長く続くと
骨を引っ張って骨格も歪み様々な悪影響の要因となります。
そこで、特に下半身の症状には 「 痛みや不調の調整 」 とともに、足元の三点軸を整えることも
重要です。三点軸を整えると足裏のアーチがしっかりとして、安定して立てるようになりますよ。
今回は上半身のボディバランスを説明したいと思います。
上半身は第12胸椎を下に頂点とする両肩との三角形で成り立つと考えています。
また、肩から手先までの三角形・第7頸椎を下に頂点とする頭との三角形 もあり
前回の下半身の三角形に加えて、人間の身体には5つの三角形があると考えます。
例えば、腕を前に上げる動きが良くないとします。これを解消するには沢山の方法がありますが
ボディバランス理論に当てはめて考えると・・・
頂点である第12胸椎にアプローチすれば良くなります。しかし、この事を知らないと多分
肩関節や肩甲骨周りの筋などを探り、結果がでないこともあります。
また、頸の動きが良くない時には、同様に第7頸椎にアプローチしていくことになります。
全て当てはまるとは言いませんが、ボディバランス理論を知り患者さんを観ることが
最も重要かもしれません。 これらの三角形は患者さんの症状がどこにあるかによって
診察のポイントが絞れるのでとても施術がしやすくなります。
該当する三角形の中から探っていけば原因もみつけやすく、もしその三角形の中に原因が
なかったら、はじめてそれ以外を観るようにすれば施術に慣れないうちは困らないと思います。
碓井流活法には、その三角形の中の症状・その原因に対して、アプローチできる方法が数多く
あります。一手一手覚えていくには時間もかかり大変ですが一度使えるようになってしまえば
一生の宝です。
碓井流活法の特徴、他にはない独自の 「 ボディバランス理論 」 は、碓井総導師が活法の理論と
長年の臨床経験、その観立てにより構築されてきたものです。
そのポイントは三角形の組合せで身体が構成されているということです。
その一例として、まず下半身の三角形を説明したいと思います。
下半身は 「 第3腰椎を頂点とした両側の足元までの三角形 」 で説明されています。
腰痛・膝痛・股関節痛・坐骨神経痛など下半身の症状の原因は、この三角形の中にあると
考えられています。 その中に含まれる部分を確認し、痛みや緊張があればそれを抜いていくと
結果として下半身の症状がとれてきます。
また、これを行うことで腰痛などの症状の予防にもなっています。
その一例が、古式整体臨床レベル1 で学ぶ 「 腰痛対応 」/「 膝痛対応 」 の技術です。
同門の中では腰痛パターン・膝痛パターンと呼ばれ、まずこの技術を当ててみると
7~8割は結果がでるというものです。 もちろん技術の完成度・精度次第ではありますが・・・
また、これらパターン化されたものは、その技術の組合せ・施術する順番など
碓井総導師の臨床経験によるもので、これも碓井流活法独自のもので他にはありません。
僕自身も、この腰痛パターンを2日間のセミナーで習ったばかりの時に、ひどい急性腰痛の方に
施術する機会がありましたが、その効果に驚かされたものです。
碓井流活法では、ヒトは神・心・身の3つの「シン」から成り立っていると考えています。
それらを細かく一つ一つ分析していくと・・・
神=霊 とは・・・ 神は以前、環境ととらえると書きました。
霊は煙的な存在 と捉えています。また、磁場やエネルギーのようなものとも考えられます。
とらえどころのないようなものですので、どういう観念をもって当たるかが重要ですね!
日本では、意外と生活の中にしみついています。
お墓に行くと、自然にお水やお線香をあげていますよね。 煙的な存在ですから上にのぼっていく
イメージなのでしょう。また、霊の世界は お礼の世界 であり
生きている人と同じように礼儀・礼法に則って対応しなければなりません。
さらに見返りを求めることもNGです。これも、お葬式でよく見受けられると思います。
心=精神 とは・・・ 常に動いているもの・動くもの と捉えています。
一つのことに集中しすぎてしまうと周りが良くみえなくなることはありませんか?
これしかないと思うと心に余裕がなくなり、選択肢がなくなり、ついには心を破壊して
うつ病になってしまうこともあります。ですから 心に常に揺らいでいても構わない のです。
その方が選択肢が多くなります。ただし、何を中心に物事を考えていくか?
不動心は持たなければなりません。これがないと落ち着かず、ずっと心が彷徨い続けます。
「 不動心を持って、動心で考える 」ことが重要。
ただし、考えが変わり不動心も変化して構いません。心は動かなければいけないものですから...
身=肉体 とは・・・ 心も霊もない状態で、純粋に肉体のみを考えると
筋肉や腱・靭帯などの軟部組織はミミズ、骨格は昆虫 のようだと捉えています。
ですから、身体の動きは虫の動きで調整していきます。軟部組織にはゆらす方法で施術すると
自然にゆるんできますし、骨格・関節運動も虫の動き、すなわち関節を極めた状態で力を入れる
導引術や、関節を密位から最密位にする骨格調整などを行います。
これらのように碓井流活法には何かにつけしっかりとした定義があり、それをもとに
技術が成り立っています。これらを一つ一つ理解し、自分の中に落とし込んでいく事で
技術は向上し、さらには普段の生活にまで活かされてくると思います。
関節の位置がくるっている・ずれていると、筋肉の力が100%発揮できない。
碓井流活法では、そのように考えています。
関節の狂いといっても、病院の検査でわかる大きなものから
検査でもわからない小さなものまで様々。 これは筋力の検査をすることでよくわかります。
左右を比べて力が入りやすい・入れにくい、ある位置で止めやすい・止めにくいなど ...
例えば、相手の腕を横に上げて上から押してみます。その時にピタッと止められるかをテスト。
止められなかったり、グラついたりしたら力が入らないと判断します。
そこで肩関節に向かって腕を押し込んで関節をつめたり、関節包を締めるスパークを入れたり
するとピタッと止められるようになる。 一つ一つの筋肉は正常であっても姿勢を維持するような
いくつかの筋肉が連動して動く場合は、関節が安定していることが重要なんですね。
また、交通事故などで衝撃を受けた場合、とっさにブレーキを踏みこんだり
力を入れて踏ん張ろうと足を伸ばして衝撃を受けます。 その時、膝関節が開いた状態になって
しまうと力が入らなくなり、身体を支えづらくなってしまいます。
これを確認するには 「 腹力のテスト 」 を行うとよくわかるのですが
仰向けで膝を伸ばしたまま足を上げてもらい上から押してみます。 もし力が入らない場合は
骨盤の辺りがグラつくはず。
そこで膝関節を締めてあげると力が入るようになり、骨盤も安定するようになります。
このように、関節は緩んでいても、位置がくるうと力がうまく発揮ないのです。
関節を安定させるには、押し込む、引く、締めるなど様々な手法がありますが
簡単なものでは、廻して中心をつくるといったものが穏やかな調整となります。
碓井流活法の施術で目指すところ、それは 「 超自然体 」 です。
皆さんはそもそも自然体とはどのような状態と考えますか?
力の抜けた状態、それともリラックスした状態などを思い浮かべられるでしょうか。
それを超えるといった意味で超自然体。
碓井流活法では 「 どんな時・どんな場面でも大丈夫で、自由自在に動ける状態 」 と
定義しています。
ヒトの身体を診ていくときに、最終的にどんな状態になっていればよいのでしょう...
それは立った状態で、楽に動けることが重要ではないでしょうか?
私達のような施術者は、主にベッド上で施術することが多いため、自然と患者さんが寝た状態で
身体を診てしまいます。しかし、寝た状態は身体がリラックスしており、痛みや不調から
遠ざかっている状態です。 また、普段から身体にかかっている体重や重力の負荷からも解放されています。その状態で良くなったと判断しても、本当の良い状態になったかどうかはわかりません。
碓井流活法では、施術の後に立った状態で患者さんに身体を動かしてもらって
良くなったかを判断してもらっています。
自由自在に動けるようになっていれば、当然痛みや不調は消えているはずです。
超自然体に回帰させるお手伝い、これが碓井流活法の施術そのものと考えています。
碓井流活法で技術を施す前に、必ず行うのがテスト・検査です。
これは他の療法でも行っていると思いますが、施術前と施術後で患者さん自身にも
変化を実感してもらうためです。 意外とこれが重要で施術者が分かっていても
その変化が実感できない、もしくは鈍感でよくわからない患者さんもいます。
そこで 「 差 」 を比べるようにしてもらうと、わかりやすくなります。
テストや検査は、ただ行うだけでは意味がありません。 必ず基準をつくる必要があります。
患者さんの姿勢・体勢、身体の動かし方にはじまり、抵抗をかけるなら左右同じ力で
可動域なら目で確認させるなど細かい注意点が重要となってきます。
細かい点を一つずつクリアしていくと、同じ施術でも効果をより大きく患者さんに変化を
実感してもらう事につながります。 一見簡単にサラッとやっているように見えることでも
意味をみだして気をくばってやっていくこと ...
碓井総導師は、それが施術者の差になるとよくおっしゃっています。
「 有と無 」 と聞いて、何を思い浮かべますか?
有ると無い・痛いと痛くない・0と1などでしょうか ... これらは陰陽の項で述べた通り
ただ分けても意味がありません。 何か中心基準となるものがあってはじめて意味あるものです。
まず 「 有
」を、今ここに有るものと考えてみましょう。 「 無 」 は何も無いのではなく
一つのことに集中することで、他のものが全て排除された状態を指します。
そうすると無から次の 「 新しい有 」
が生まれます。 このように有と無の間には
過去と現在、そして未来といった境い目があると考えてみてください。
これを患者さんに当てはめてると有と無の調整ができます。
患者さんはどこか痛い・辛い部分をもっていますね。
その状態から、一つのことに集中させるのです。
碓井総導師は「 炎の整体師!」とおっしゃっていますが、ライターを使って炎をみつめさせる
それだけで良くしてしまうこともできるとか・・・。
この有と無の扱いは、碓井流活法では、力を入れることに患者さん・施術者がお互いに集中する
導引術や、一定の圧で押さえる固定術などに活かされています。
これらを行うことで、新生の有が次々と生み出されていく ... だからこそ僕らのような存在は
患者さんの支持点・作用点になりきることが大事なのだと思います。
碓井流活法を学ぶと運気も変わる。 これは、自分自身も実感したことです。
僕が碓井流活法と出会ったのは2006年。
現在は少しずつ知られはじめた活法も、それまで聞いた事がありませんでした。
活法という名称を伝統療法普及協会のほうで 「 古式整体 」
と名を変え、世に出され始めたときに
運よく紹介されたのです。 碓井総導師への初めての質問は、「 有と無 」についてだったと思います。
その明確な答えは不思議と腑に落ち、それ以来、碓井流活法にはまっていきました。
その中でも、もう一つ腑に落ちた言葉が、「 求心力と遠心力 」 です。
活法をやっていると不思議と自分が中心となり、周りが自分の居易い環境を作ってくれていると
思う事があります。 それが求心力で、自分のためになるものが集まってきます。
但し、それには環境に対して一切文句を言わないこと。甘んじて受け入れることが大事だと
聞かされました。
また、向上心をもって勉強し続ける。自分を磨き続ることも重要となります。
一方、自分にとって必要ないものは自然と離れていきます。
これが遠心力です。だから、もし離れたり失うものがあっても思い悩む必要はない。
それに執着することはないと聞かされ、心がスーっと軽くなったのを覚えています。
また、患者さん・学生さんのために漠然とやってきたことが、どうすれば良いのか
より明確になった感じもしています。
それ以来、碓井流活法を続けそれが支えとなり、ここまでやって来ることができました。
今後も、碓井流活法を皆さんに伝えさせて頂くことで、少しでもお役に立てればと思います。
活法に感謝、感謝です。
碓井流活法では、生命の誕生は 「 異質なもの同士のぶつかり合い 」と定義しています。
ヒトは父・母の精子と卵子が受精卵になることで発生すると現代では分かっていますね。
このように何か異質なもの同士が出会うことで、世の中の新しいものが出来上がっていくという
法則は、施術の中にも活かされています。
では、宿命・運命とは・・・
宿命とは、その人が生まれもったもので神様から授かった変えたくても変えられないものです。
しかし、運命は選択することができます。
生まれてすぐは、親に育まれなければ生きることができす、また選択することはできません。
親にこうなって欲しいという宿題を与えられ、それをどうこなしていくかで変わっていきます。
成長し、自分で選択できるようになると、次は自分なりの課題をみつけ、自らこなしていく
段階へとなります。
どのような選択をしていくかで、良くもなれば悪くもなる、これが運命です。
良い方向に向かうことを「 高い霊線にのる 」。 悪い方向を「 低い霊線にのる 」といいます。施術者は患者さんを施術するだけでなく、同時に高い霊線にのせているという事も心がけて下さい
高い霊線にのせることができると、運気の急上昇といったことも実際に起きてきます。
またその行いを続けることが、自分自身を高めることにつながっていきます。
これが施術者の宿命なのかもしれませんね。
「 術理道法 」とは、碓井総導師の道場に掲げられている書の言葉です。
先日発売された、月刊秘伝2015年5月号に掲載された写真にも写りこんでいます。
これにはいろんな意味が含まれていると伺いました。
「 術 」という字を分解すると、行うという字の間に求めるという字が含まれ
行いを求め続ける という意味になります。「 理 」はさとる(悟る)、差を取る という
意味があります。
「 道 」は、みちとも読めますよね。 これを分解すると「み」と「ち」になります。
「 み 」は、からだの身や美しいの美といった 外面を表す 言葉で、「 ち 」は体内を流れる血や智慧の智といった 内面を表す 言葉となり、この二つはそれぞれ陰と陽を表しています。
これらをまとめると、差を取り陰陽を成立させる行いを求め続ける「 法 」
すなわち 活法 を示していることになります。
碓井流活法には、このように字の形や読みなどに意味があり、また他の字に当てはめ
読み換えてみたりと、日本語の文化に根付いた考え方が多く含まれています。
これを面白いと思われるかは、人それぞれかもしれませんが ...
何かを手に入れたいと思った時、みなさんはどうされていますか?
物を買うならお金を、何かして欲しいならお願いを、愛情を得たいならどうするか ...
まずこちらから愛情を注がなければ相手に振り向いて貰えません。
頭では分かっていても、その通りに行動できないこともあります。
しかし、「 何かを得たいなら、まずこちらから与えなさい。」 そうすれば還ってくる。
というのが碓井流活法の教えです。 これを 授受還元の法則 といいます。
例えば家庭環境 ... 子供は両親のおかげで生活していくことができます。
親は仕事をすることで生活のためのお金を得て子供の世話をしています。
しかし、親も子供がいるからこそ得るものも大きいはずです。
子供はそのことに感謝し、親がいることによって成長することができる。
親は子の頑張っている姿をみて、また頑張ることができるといったように、連鎖していく。
どうせ連鎖するなら、より良い方向に向かっていった方がいいと思いませんか?
しかし実際には、その通りにうまくいかず逆の方向に向かってしまうこともあります。
これも授受還元の法則です。 諺には 「 情けは人のためならず 」 というものもありますが
まさにこの法則を言っています。
だからこそ 「 良い方向に向かうために・・・ 」 ということを忘れずに行動する。
間違っていたら反省し変えていくことが重要となるのです。
これは自然の摂理と言い換えても決して過言ではありません。この法則通りに行動できるので
あれば、必ずや結果は得られるようになっているのです。
物事が起こるには全て原因があります。
患者さんが訴える身体の痛みや不調は、碓井流活法では 「 発現点 」 と捉えています。
身体のどこかに異常が出てくるのには必ず 「 原因点 」 があり、原因点にも更にそれを起こす
きっかけがあると考えるのが活法の観方になります。
このきっかけは 「 起因点 」と呼ばれ、活法の人への観点から考えると、身体・精神・環境の
全てが起因点となる可能性があります。
例えば、外傷性のものなら身体、悩みだったら精神、本人も気づいていない生活環境・職場環境
などの問題といった感じです。
施術者は、患者さんを診る時に、どうしても身体にこだわり過ぎてしまい、そこに原因があると
思い込んでしまいます。「 原因点 」 は確かに身体にあっても、それを起こすきっかけ
すなわち 「 起因点 」 を見逃してしまうと、再びその原因点から発生する痛みや不調が
「 発現点 」 として身体に現れてしまいます。
原因点をまず取り除く、これは施術の中で非常に重要なものとなりますが、それと同時に
この起因点を探ることを忘れないようにして下さい。
もし、起因点をしっかりと把握しアプローチできるならば、それだけで原因点も発現点も
消えていくはずで、それが本当の治癒につながります。
また、その痛みや不調の予防・再発防止にもつながります。
しかし、一朝一夕に起因点を探れるようになれるかといったら、なかなか難しい事で
だからこそ、「 人は三位一体 」 であるとか、「 気やその作用 」、「
陰陽 」 などといった
多面的に人を観る観念を作ることが重要であり、そのためにこの活法の理論を理解していくことが近道となるのです。
起因点がどこにあるかを常に探すように意識していると、自然に患者さんとの対話
カウンセリングの中で、原因・起因のヒントを得ることもできるようになります。
「 観念 」 とは気の項で触れたように、絶対に揺るがない 「 こうである 」 といった考え方を
持つことだと述べました。 そしてそれをより深めることです。
・ 気とは その1
・ 気とは その2
この観念を 「 思い 」 として表に出したものを碓井流活法では 「 思念 」。
もしくは 「 思念波 」 と呼んでいます。
観念が強まれば強まるほど、この思念も強くなり、それによって例えば手を触れなくても
調整ができるようになったりします。これは決して不思議なことではなく誰にでもできることで
活法の調整や指圧などは直接手を触れていくのですから、より強いものとなるに相違ありません。
そして 「 想念 」 は自分だけでなく、それを受ける相手にも同じ方向を向いてもらう事です。
相手とまったく同一の方向と言う事ではなく、例えばその人にとって楽しいこと
嬉しいことなど、同じ方向性にイメージを両者が持つと、同調・同化の作用が起こり
痛みが消えたりたり、硬結が無くなったりすることが起きます。
イメージ、すなわち観念が強ければ強いほど、これも効果が大きくなります。
このような作用は、ただ気のレベルの調整だけでなく、普段の臨床の中でも大きく働いています。どこか調子の悪い部分を、施術者と患者さんとがともに認識する。
どこをどうするとこんな感じになる。 施術をすることで良い状態になる ... と共通意識を持つことで最終的な結果に結びつくのです。
ですから、決してこの施術方法でいいのかな? 自信がない ... これで治るのか?
等と思ってはいけませんね。 それが観念・思念となって相手に伝わってしまうからです。
最も簡単に観念を持つという事は、施術に入る前からもうこの人は何でもないんだと思う事です。
患者さんと言っている時点で、すでにこの人は病気の人だと観念を持ってしまっているのです。
それではいつまでたっても病気から離れることができません。できるだけこのような考えは捨てて下さい。もし難しければ 「 施術が終わると、この人は笑顔で出て行く 」 というイメージを
心に描くことも良いと思います。
そして気には、このような作用があることを知ること。 そして意識することで可能になる事。
更には意識しなくても 「 無意識 」 で扱えるようになっている事を目指したいものです。
指圧をしていく中で、まず必要となる理論がこの対応と対立です。
対応は 「 同調 」 とほぼ同じ意味ですが、「 対立 」 と対比させることで
もう一つの意味を持っています。 対立は言葉どおり敵対する、反発するということですが
「 対応 」 は、反発を生まないという意味を持っています。
反発を生まないということはどういうことか? 指圧なら無理に圧さないということになります。
指先・手先に力が入ってしまうと当たった感じも硬くなり、受ける側も硬くなってしまいます。
そこをさらに圧していったとしたらどうでしょう? これ以上圧してくるなと反発しますよね。
まずは、施術者の手指に力が入らず柔らかいタッチで触れることが重要ですね!
そして、そこから押すのではなく自然とそこに重力が集まってくるようにすると良いのですが
それにはやはり身体のムダな力を抜き、特に伸筋、つまり身体を伸ばす力を利用します。
身体を重力に逆らって引き伸ばすと、身体全体の重力が触れている部分に集約されてきます。
押してダメなら引いてみろという感じです。無理に圧そうとせず、引くことによって
指圧している指に身体全体の重力がかかってくるのです。 これを利用すると施術者自身も
重力によって圧される人となり、患者さんと同調・同化することで反発が生まれにくくなります。
そうなってはじめて、自然とより深くまで圧せるようになります。
さらに、気を透していくことでより大きな効果を得ようというのが活法指圧の極意!
また、碓井流活法では骨格調整にこの理論を用いています。
「 対応と対立 」 は身体以外にも、気や精神のレベルでも起こります。
カウンセリングでは特に相手と真正面から向き合わない、少し位置をずらすことが
知られていますが、これも反発を生まない対立を作らないために行っているものです。
同じように患者さんとの位置関係を良く考え、対応の形に持っていくことが重要ですね!
これは言葉がけにもいえることで、的当な言葉を選んでいく必要があります。
どの場面においても対応を心がけることによって、良い状態に同調・同化させやすくなるのです。
固定と移動も一つの陰陽とも考えられます。
陰陽はどちらが無くても存在することはできないのですが、この固定と移動も同じです。
てこの原理を思い浮かべて下さい。
なぜ重い石が1本の棒で簡単に持ち上がるのでしょうか?
それは支点という動かない部分、すなわちしっかりと固定される部分があればこそなのです。
支点が無い状態では、移動ばかりになってしまい重い石は持ち上がりません。
固定と移動がそろってはじめてスムーズに動くことができるのです。
これは身体に置き換えても同じことで、腕を大きく回すにも体がしっかりと固定されていなければ
安定せずに結局うまく回せません。
さて、肩が痛くて動かせない時などは、腕を動かそうと代償的に体をひねったり
歪めたりする動作となってはいないでしょうか?
固定されるべきところはしっかり固定し、移動すべきところは可動範囲内で動かせる ・・・
これは陰陽の成立へとつながっていく事です。
実際に身体の関節の動きを分析して、固定と移動を整えると動きが良くなる。
活法には、痛い部分はそこに居たいからこそ " 痛み " が出ていると考え
「 じゃあそこにもっとイタくなるようにしてしまえ 」 という調整で、痛みを消していく方法も
あります。 これは陰陽を逆転させるという発想とも言えますね。
また、固定をしっかりと作った状態で移動させると、中心が整うという調整法もあり
固定と移動の概念は、身体だけでなく気や精神に働きかけることもできます。
うつ病や自律神経失調症などは固定すべき状態。 つまり睡眠が良くとれていないことが
多くの原因となっている事があります。しかし、身体も心も安定していない状態では
「 寝なさい寝なさい 」 といくら言っても寝ることはできません。
そこで、一度寝た状態を疑似体験させてあげることが重要となってきます。
碓井流活法では、こういう場合に 「 超リラックス法 」 という技法を用います。
これはまず固定術(パス)を使って、身体の固定をしっかりとし、その後言葉がけによって
精神を誘導する方法で、これを行うことによって患者さんは寝ている感覚を思い出す体験や
寝られるのだという自信が得られ、心と身体の安定・安心を取り戻していきます。
操作の一つ一つ、言葉かけにも固定と移動の概念が含まれ、これらを使い分けていくことで
活法の施術は、大きな結果を得られるようになっていきます。
人は地球という重力の井戸の中で生活してると考えてみましょう。
また二本の足で立ち上がり、運動することで生きています。 そのため、何をするにも
身体の 「 重心 」 を取りつづけなければ適当に行動することはできません。
また、重心が取れても、更には身体のある部分を 「 中心 」 として運動しないと
適当に行動することはできません。 このように、中心と重心は切っても切れない関係にあります。
言い換えれば中心の延長線上に重心があるとも言えますね。
それゆえに、碓井流活法の調整の中では 「 中心を整えても重心を整えても 」 どちらも身体が
安定するという作用がみられます。
コマを例にとって考えてみましょう。
コマが綺麗に回転している時には、まるでピタッと止まっているかのようにみえますよね。
コマの回転の中心が整い、コマの軸の接地点すなわち重心が整っている為
非常に安定した状態が保たれています。 人の場合はコマのように一点に留まる訳にはいきませんがどんな動きをしていても安定して倒れなければ良いと思いませんか?
これが中心と重心の作用になります。
また、中心には陰陽の中心、すなわち陰でも陽でもない状態という意味もあり
単に動きの中心だけではなく、痛みや硬結を取る際にもこの考え方が活かされています。
更には身体だけでなく 「 心、精神面 」 においてもこの中心が重要になってきます。
何かしよう、したいと思ったら、どうしたらそれを達成できるか考えますよね?
それが思い・行動の中心となり、迷いが無くなるわけです。
しかし何をしたらいいのか分からない、迷っている時は中心が定まっていない。
心がフラフラしている状態です。ですから人は他人や本などからアドバイス得ようとしたり
占いなどに頼ってしまうのではないでしょうか?
こういう時には、あえて何でもいいから 「 その人の中心となるものを作ってしまう 」 という
方法で、心と体のトラブルや症状の改善を促す事もあります。
活法では、中心と重心を整えることは安定を生み出し、それが安心につながると考えています。
同調と同化は 「 気の作用 」 の一つで、この概念を使うことで様々な効果が得られます。
もともと「 気 」は人からも出ているもので、しかも他と作用しあうので、 「 同調作用 」 は
自然と起こっているものなのですが、それをあえて意識して使うことで
もう一段高いレベルの 「 同化作用 」 にもっていくのが施術のミソです。
同化させるといっても、厳密に言うと実際にどこまで一緒になるかは分かりませんが
良くない状態の患者さんをより良い方向に向けること。また、それを目指す事のほうが重要です。
だからこそ気の項で述べたとおり、施術者は高いレベルのエネルギーを持つ事となる訳です。
最も簡単な同調・同化法に活法では 「 置き直し 」 という技法があります。
みなさんは指圧を受ける人に対して、まずベッドや布団などに寝てもらいますよね。
その時、どういうふうに施術に入りますか?
ほとんどの方はそのまま相手に合わせて姿勢をつくり、施術に入ると思います。
これは患者さんの良くない状態に合わせる、すなわち同調してしまうことになります。
施術者は ・・・ 良い状態に導く為の支持点にならなければなりませんよね。
ですから、患者さんの勝手に寝た状態に合わせてはいけないのです。
これから良い方向に導いて、同調・同化させるにはそれを崩し、より良い状態の施術者側に
向かせる必要があります。やり方は簡単です。
患者さんの寝た格好から、さりげなく手や足を軽く持ち上げ
さも姿勢でも正しているかのように動かすことです。
別に実際にずらさなくとも良いのです。これは、施術者が動かすことによって
相手の状態をこちらの思惑通りに変える作用を狙っています。
そして、それが患者さんの身体にこれから施術するよという信号となり
施術を受け入れる状態にしているのです。
このように、何気ない操作一つをとっても活法には意味があります。
同調・同化させる場合には、気や身体の動きも用いますが、それをより高めるには
これだけでは足りません。もうひとつ、相手の意識すなわち精神を誘導する為に
「 言葉がけ 」 が重要となります。 碓井流活法では、言葉は相手の精神に対して
直接影響を与えることができる力があると言われています。
言霊や音霊などという言葉を聞いたことはありませんか?
言葉や音そのものに意味があり、力を持っているという考え方で、古来から神道や陰陽道・雅楽
などにも用いられています。ですから、碓井流活法の調整で患者さんに何かやってもらう時には
必ず 「 こうして下さい 」 と声をかけ、必ず 「 はい 」 と返事を頂いてから行動に移すように
注意します。 この事で意識レベルからの同調・同化がすでに始まっているのです。
また、同調・同化にはさらに宇宙のエネルギーとの総合調和などといった広い意味もあります。
碓井流活法の呼吸法の中に、陰陽の概念を取り入れた 「 陰息陽息 」 というものがあります。
「 陰息 」 は腹式呼吸のこと。
碓井流活法では丹田の呼吸、内観に向かう呼吸、養生的な呼吸と言われています。
「 陽息 」 は胸式呼吸のこと。
こちらは、活動的な呼吸と言われています。
静かに本を読んでいる時や寝ている時などは自然と 「 腹式呼吸 」 に
運動している時は 「 胸式呼吸 」 になっていると思います。
この陰息陽息のバランスをとることが、気やエネルギーのバランスをとることになると考えます。
それには、腹式と胸式の呼吸をしてみて、10回呼吸する中で5回ずつになるように調整することです。 はじめは無理に5回ずつにする必要はありません。やりやすい回数で徐々に5回ずつに
そろえられるようにしていきます。そして陰息陽息のバランスが取れたあとに 「 1分間呼吸 」
を行います。これは 「 霊能開発呼吸 」 とも呼ばれ、電気を霊気に変えていく修練法。
1分間の中で、最初の20秒でゆっくり吸って、次の20秒は息を止め丹田に意識を落とします。最後の20秒でゆっくり吐いていく。これを5セット ・・・ と言いたいところですが
慣れないうちに無理にやると気を失うおそれがありますので気をつけて下さい。
これもできる範囲から始めて5秒ずつでもよいので、やってみて下さい。
多分全身に汗をかくと思います。それだけ、細胞レベルからの活性化が起きている。
碓井流活法では、呼吸とはただ酸素を吸って二酸化炭素を出すだけではなく、空気中に無尽蔵に
存在する 「 プラナ 」 というエネルギー体を血中に流しこんでいると考えています。
昔はプラナという考え方は無かったと思いますので、「 気 」 そのものを吸収していると
考えても良いでしょう。それによって電気を霊気という高いレベルのものに変えていけると
考えています。
また、碓井流活法では肺はバッテリー、心臓は発電機ととらえていて、呼吸法はそのバッテリーの容量すなわち気の容量を増すのに役立つとも考えられています。
「 陰陽 」 は、東洋医学の中にも出てきますが、その真の意味は余り伝わっていません。
碓井流活法では、陰と陽をただ2つに分けるだけではなく
それを分ける基準。 すなわち 「 中心 」 が重要であると考えています。
東洋哲学にはこの中心のことを、「 中庸 」 「 太極 」 などと現していますが
現在の東洋医学はその意味はおろそかに、ただの比較現象になってしまいがちです。
陰陽を分かつのに基準がある事を知れば、陰陽の概念を用いた調整ができるようになります。
それは碓井流活法の技術の中にも活かされていて、患者さんの状態を把握するテスト法などに
応用されています。 ある基準から差を測り、その差をとることで陰陽を成立させる ...
すなわち 「 陰でも陽でもない世界 」。 正常なバランスが取れた状態を作り出すという目的で
施術を行っていく。 逆にいえば患者さんはどこがどう悪いか分かっていないことが多く
だからこそ施術者が陰陽の差を実感させていく事で原因を認識させ、その差がなくなることで
バランスのとれた、良い方向に向かったと感じ、意識することもできるのです。
それゆえに碓井流活法では陰陽は 「 左右同質にして整合性のあるもの 」 と定義しています。
また、陰陽にはもっと深い意味が沢山隠されているのですが、ここで施術者自身に関わる陰陽を
お話しておきたいと思います。 施術者の心理としてどうしてもぬぐえないのが
「 患者さんを治そう 」 という観念です。
碓井流活法では 「 人は人を治せない 」 「 治そうと思うと治らない 」という考え方があります。
いくらすごい施術をしたとしても、実際にその患者さんを治しているのは患者さん自身
「 自己治癒力 」 だと思いませんか?
施術者ができるのは、あくまでもその自己治癒力を高めたり、引き出す手伝いでしかありません。だからこそ人は人を治せないのです。 これは施術者が成長してある程度治療効果が出せるように
なると、どうしても自分が治したと天狗になってしまうのを戒める言葉かも知れません。
また、治す行為をすると結果として 「 治る 」「 治らない 」 の陰陽が生まれてしまいます。
これは 「 治す 」 ことを目指す限りどこまでいっても付きまといます。
治れば良いですが、治らないことが積み重なると ・・・ 施術者自身をつぶしてしまうのです。
責任感が強ければ強いほど悩みも大きくなるでしょう。 しかし、前述したとおり
人は、人を治すなんてことはできないのです。 だからこそ治そうなどとは思わない
その人が治る為のお手伝い、支えとなることが施術者の役目であると活法では考えています。
支えであることを目指すのであればそこには 「 治る・治らない 」 という陰陽は生まれようが
ないからです。 それが、施術者・患者さん共に良い方向なのだと思います。
碓井流活法で考えている気の概念はお分かり頂けたでしょうか?
また、この気を使うにしても他のものと大きく違う点があります。
碓井流活法では、気を出したり入れたりするものという考えを持っていません。
「 気は誘導するものされるもの 」 という考えを持って使っていきます。
実際に人間関係などでもなぜか気が合う人、気が合わない人がいると思います。これはなぜか・・・
気は表面に出てくる電気(電子)の性質であり、常にその人からもれ出ているからです。
それが目に見えなくともお互いに感じあうからこそ気が合う、合わないという結果になるのです。
施術の場面ではその悪い部分に気を集中させるために誘導するなどの調整を行っています。
つまり気を出そうとか、他からエネルギーをもらおうなどの考え方はなく
全て自分の中から生じ、支点となって相手の気を誘導するものであるということです。
それを使ってどのようなことが起こるかは・・・ 同調と同化、対応と対立、思念・想念・観念
などの項目で述べることにします。
また、「 気 」 にもいくつかの段階があり、マイナスの電気であるだけでは、弱っている状態の
患者さんの気を良い状態に向けることは難しい。自然の摂理ではエネルギーは高い方から低い方に流れるようになっていますよね。 これと同じで施術者は患者さんよりも高いエネルギーをもつ
必要があります。すなわち気を電気から 「 霊気 」 に高めなければならないのです。
それには碓井流活法で考える気というものをきちんと理解し、それを自分の中に落とし込み
「 観念化 」 すること。 また、その観念を強めることです。
それと同時に修練として呼吸法などを行うことで、細胞レベルからの活性化をすることも
重要となってきます。この呼吸法については、「 陰息陽息の呼吸法 」 で述べます。
人が行動を起こすには何が必要か・・・ それは「 思い 」です。
何かをしようと思わなければ何もしない、起こらないと思いませんか?
今まで気の概念をあれこれ述べてきましたが、突き詰めると「 気 」とは思い。
つまり 「 観念 」 そのものとも捉えることができます。
観念とはどんなことがあっても動じない、こうであるという考え方のこと。
この観念を持つということが、気の調整を行っていく際の第一歩となります。
気功や経絡など一般的になりつつある「気」ですが、その定義は漠然としたものが多いようです。
碓井流活法では 「 漠然としたものからは漠然としたものしか生まれない 」 という考え方から
何事に対しても必ず明確な答えを持っています。 気も同じで、きちんとした定義があります。
まず、この世の全てのものは原子でできているというのは科学的にも良く知られていますよね。
この原子というのは真ん中にプラスの性質を持った核とその周囲を回っているマイナスの性質を
持った電子で構成されています。
この原子の集合体が人の身体であり、この世の全ての物質なのです。
つまり気とはこのマイナス電子が表面にあるものと定義されています。
全てのものがこの原子でできているからこそ気の調整や遠隔治療などが可能となるのです。
原子と原子の隣合わせで密度の差こそあれ、世の中全ての物質がつながっているという考え方が
これを可能としています。
また、このプラスの核とマイナスの電子の間のすきまとは何だと思いますか?
すきまだから何もないという考えではありません。碓井流活法ではこの部分に意味があると考えています。このすきまは、プラスもマイナスもない世界。
すなわち陰陽のバランスのとれたちょうど良い状態と考えています。
この考え方をもって気の調整を行う時、すきまには目詰まりを起こしているイメージで
それにより身体に悪影響が出ていると考えます。
ならばどうすれば元の良い状態に戻すことができると思いますか?
気の集合体、すなわち人の身体はメッシュ構造と捉えていきます。
その網目の目詰まりを吹き飛ばせば正常な状態に戻ると意識して調整を行っていく。
実際には「 透し 」という方法を用いますが、この考え方 ... すなわち「 定義 」を持つことが
重要となります。
人は何からできていると思いますか? ... 骨?筋肉?内臓? もっと細かくみて細胞? 物質?
すなわち肉体。身体の「 身 」があります。 でもそれだけではありませんよね!
さらに「 心 」、精神や感情といってもいいでしょう。 心と身体の関係は、うつ病や統合失調症
心身症などが広く認知され社会問題の一つとなっているように、非常に密接なものであると
考えられています。
活法ではこれらに加え、もう一つ! 「 神 」が人を成り立たせているものと考えています。
神とは日本古来より自然に対する畏敬の念から生まれた概念で
現代風にいえば環境と捉えて頂ければ良いと思います。 ただ、環境といっても社会や他人
今の自分が存在できる為の全てと広く考えた方が、ニュアンスとしてより近いと思います。
つまり、人とは「 身 」「 心 」「 神 」という3つの「 シン 」でできていると考えるのが
碓井流活法なのです。 身体の調子が悪いと、気分が落ち込んだり、周りに対してきつく当たって
しまうことなどありませんか? 精神的に落ち込むと、胃腸の調子が悪くなったり、何気ない一言が気になったり、意味もなく不安になったりしませんか?
悪い環境でずっと過ごしていると身体も心もボロボロになってしまうと思いませんか?
このように、実際の生活でも多くみられるものの中に、身体の不調の原因が隠されていることが
多いのです。 ですから人を観る時には広い視野、鳥の目で見ることが重要となります。
それにはこの考え方はとても重要です 。碓井流活法の人間考察にはさらにもっと深い意味が
沢山盛り込まれていますが、ここではまずこの 「 三位一体 」 の考え方で施術をしていることを
覚えておいて頂きたいと思います。
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