ヒトの身体を観ていくとき、外からながめていくのが視診。
しかし、この視診でわかる範囲は限られています。
また、観ようとしても知識や経験がないと、どこをみれば良いのか分からない
という方も多いと思いのではないでしょうか。
そこで誰でもできるのが、触って比べる触診です。
この触診も、ただ触れば良いというわけではありません。
ヒトの身体を触り慣れている方でも、どこをどう触るとどう変化するのか?
考えて触っている人は少ないと思います。
まあ、そこまでいちいち考えていたらやってられないという方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、もしうまく触ることができ、それだけで身体が良くなるとすればどうでしょう。
ただ触るだけで身体をよくできてしまう事もあります。
それには、まず手の力を抜くことが必要です。 言葉にすると簡単ですが
これがやってみるとなかなか難しい。 どうしても無意識に力が入ってしまうのです。
はじめはこれを意識して抜くようにつとめていくのが大事で、意識することを続けていくと
そのうち自然に力が抜けるようになります。そうなるまであきらめずに続けて下さい。
そして 「 皮膚接触 」 を意識して使えるようになると・・・
皮膚接触には固定の意味も含まれていますが、皮膚の形が変わらない程度の力で皮膚に触れます。そのまま一定圧を保つのが皮膚接触です。
例えば、立位での前屈をテストしてみてください。どこまで指先が届くかを確認したら
大腿の外側に皮膚接触を行います。そのまま、再度前屈してもらうと・・・
指先がさらに床に近づくはずです。
このように筋肉の動きが変わる反応を、生理学では 「 皮膚反射 」 と説明しています。
触った皮膚の下にある筋肉の動きが良くなるのです。
これを応用し、どこかに触れたまま運動してもらうと、どんどん動きが良くなりますよ。