対応と対立

指圧をしていく中で、まず必要となる理論がこの対応と対立です。

対応は 「 同調 」 とほぼ同じ意味ですが、「 対立 」 と対比させることで
もう一つの意味を持っています。 対立は言葉どおり敵対する、反発するということですが

「 対応 」 は、反発を生まないという意味を持っています。

反発を生まないということはどういうことか? 指圧なら無理に圧さないということになります。
指先・手先に力が入ってしまうと当たった感じも硬くなり、受ける側も硬くなってしまいます。

そこをさらに圧していったとしたらどうでしょう? これ以上圧してくるなと反発しますよね。

まずは、施術者の手指に力が入らず柔らかいタッチで触れることが重要ですね!
そして、そこから押すのではなく自然とそこに重力が集まってくるようにすると良いのですが

それにはやはり身体のムダな力を抜き、特に伸筋、つまり身体を伸ばす力を利用します。

身体を重力に逆らって引き伸ばすと、身体全体の重力が触れている部分に集約されてきます。
押してダメなら引いてみろという感じです。無理に圧そうとせず、引くことによって
指圧している指に身体全体の重力がかかってくるのです。 これを利用すると施術者自身も
重力によって圧される人となり、患者さんと同調・同化することで反発が生まれにくくなります。

そうなってはじめて、自然とより深くまで圧せるようになります。
さらに、気を透していくことでより大きな効果を得ようというのが活法指圧の極意!

また、碓井流活法では骨格調整にこの理論を用いています。


対応と対立 」 は身体以外にも、気や精神のレベルでも起こります。

カウンセリングでは特に相手と真正面から向き合わない、少し位置をずらすことが
知られていますが、これも反発を生まない対立を作らないために行っているものです。

同じように患者さんとの位置関係を良く考え、対応の形に持っていくことが重要ですね!
これは言葉がけにもいえることで、的当な言葉を選んでいく必要があります。

どの場面においても対応を心がけることによって、良い状態に同調・同化させやすくなるのです。