古来日本では、物事すべてに「 霊 」が宿っており
その作用で世界が成り立っていると考えていました。
霊といってもお化けや妖怪といったイメージのものではありません。 むしろ山や森、河などと
いったものの神、自然霊ととらえた方が良いと思います。
この霊にも様々な考え方があり、かたちなら 形霊、ことばなら 言霊、おとなら 音霊 などと
いったものが有名です。
ここでいう形霊は広い意味ではなく、かたちにもそれぞれ意味があるという観点から
人の身体、特に関節の動きを形に当てはめて考えるという少し狭い範囲で用いるものになります。
関節の動きを形霊のかたち通りに動かしていく「 操法 」を用いると
楽に動けるようになったり、痛みが消えたりという結果が得られます。
実際に身体のどの関節が、どんな形であると考えるかと言えば、肩( 腕全体 )の動きは「 扇 」
肘や手指は「 茶筒 」、手首や膝は「 鼓 」、頚椎や腰椎、股関節は「 8の字 」
背部は「 板 」、胸郭は「 鳥籠 」といった具合です。
この考え方は、碓井流活法の技法の中に多く取り入れられており、そこから一つ一つの技術が
作られています。