碓井流活法の技の中に多く含まれる固定術。
以前、活法理論の 「 固定と移動 」 の項で、固定と移動がそろってはじめてスムーズに
動くことができる。 陰陽の成立につながることを記載しました。
ここでは、固定を上手に使って身体部分を軽くさせる方法を述べていきたいと思います。
例として、腕を対象に考えていきましょう。
腕は普段から、腕自体の重さと重力によって下に引き下げられています。
それを支えているのは、肩すなわち鎖骨・肩甲骨と、その周囲に付く筋肉や靭帯などです。
肩周りの筋肉はその重さやストレスを常に受けているわけです。
もし、その筋肉が弱ってしまったら … 肩周りはもちろんのこと、さらに遠い部分にも負担が
かかってきます。 これが肩こりや頸こり、背中の痛みとしての表れでしょう。
では、その腕を軽くすることができればどうでしょう?
やり方は 「 押し引き 」 をつくることなんですが・・・
押し引きとは、肩口と手首をそれぞれ持ち同じ力加減で引っ張ること。
両方向に引っ張り、ピーンと張った状態ができると腕の重さは感じなくなるはずです。
やってみるとわかります。
そこから、身体を動かしていく活法の操法やエネルギーの方向付けなどの技術を加えていくと
腕がとても軽い状態となり、楽に動かせるので肩の可動域も広がります。
結果として、肩こりや頸こり、背中の痛みが解消されていきます。
押し引きは固定術の一つ ですが、「 固定 」 といってもがっちりまるっきり動かないように
固定するのではありません。 一定の圧で固定し続けることが重要となります。