「 筋肉をつかんで動かすだけでも動きが良くなる。 」 ごぞんじでしたか?
これは筋肉が動いた状態を先に作りだし、そこで動かすからです。
ただし、筋肉をつかむといっても力任せに握るのでは逆効果! 把握するには伸筋をうまく使って
つかみ、力こぶをつくるように盛り上げるのが重要です。
例として、二の腕の 「 上腕二頭筋の筋力テスト 」 を行ってみましょう。
術者・相手ともに力加減を覚えたら、二の腕に力こぶをつくるようにつかんで
5回くらい肘を曲げ伸ばしさせます。 再度筋力テストを行うと非常に力が入りやすくなります。
このようなつかみ方は、指圧などの技法にも 「 吸引圧法 」 として取り入られており
ふくらはぎのつかみに良く使われています。 これはふくらはぎに手のひら全体を押し付け
手のひらに吸いつけるようにつかんで少し上に引き上げる方法です。
この時も指先の力は使わないように行うのがポイントで、指先に力入れると手のひらの密着が
うすれて吸引力が出なくなるからです。
また、この手の使い方は患者さんに触れる時や身体を持つ時、指圧の手のかたちを保つのにも
共通しています。このように、手のひらにある小さな筋を意識して使うとやさしいタッチになり
密着して余分な力を使わなくなり、手を使う技術が一段レベルアップしていきますよ。